景観フォーラムとは

京都景観フォーラム  設立趣意書

今日の歴史都市・京都の姿があるのは、100年に亘る市民の景観まちづくりの成果である。
1920年代には、景観(風致・美観)保全への関心が高まり、高瀬川や堀川の埋め立てに反対する運動が起き、東山の開発に対する論争がおこった。このような論争がなければ、今日の潤いのある都市景観は残らなかったであろう。京都市民はこのような論争を通じて、近代的な都市計画の合理性を追求するだけではなく、歴史的都市としてのあり様をより深く考えるようになった。
1930年には、京都市域の25%が風致地区に指定された。当時、工業都市へ向かうべきか風致豊かな遊覧都市かという論争があったが、市民は論争を通じて都市の将来像を探り、絶妙なバランス感覚で近代都市への脱皮と風致の保全の両立を目指したといえる。
 1960年代には、双ヶ丘の開発問題などが契機となり古都保存法が制定され、歴史的風土特別保存地区指定により、山麓の史跡・名勝がその背後の自然環境と一体的に保存され、その後の世界遺産への指定につながる。
一方で高度経済成長期以降、市街地では建築デザインやライフスタイルの多様化、開発の急速化・大規模化による景観の混乱が指摘されるようになり、京都の地域個性がゆらぎはじめた。その傾向は1990年代以降の伝統産業の衰退、少子高齢化の進行によって拍車がかけられた。
 2007年に実施された京都市「新景観政策」は、国の景観法を根拠として、建物の高さ規制の見直し、建物のデザイン基準や規制区域の見直し、眺望景観や借景の保全、屋外広告物対策の強化、歴史的建造物の保全・再生を目指すものである。その背景には無秩序な都市景観が京都の魅力・活力の低下を招くと言う危機感があり、多くの市民の支持を得た。


京都市民には、先人のたゆまない努力により守られた景観を、次世代に受け継ぐ義務があると私たちは考える。そして、市民一人ひとりの生活・経済活動が今後の景観形成に大きく関わってゆくという自覚を強く持ちたい。街が生きている限り、大小さまざまな更新が続くが、その方向性を自らが定めることで、一つひとつの更新が景観を向上させるチャンスとなる。住宅、店舗、街路、公園、河川、広告物。 公有、私有、共有。さまざまな場面で一人ひとりの市民が関わる景観まちづくりの種があり、身近な生活文化を豊かにし、都市の風格を高めることができる。

「景観」は、一人ひとりの市民が創り育てる地域の共有財産であり資源である。

地域で価値観を共有して、地域に相応しい景観を保全し創造する意識をもって行動しなければならない。私たちは、京都市未来まちづくり100人委員会において「市民の景観チーム」を結成し、市民が主体となって「景観まちづくり」を進める道筋を検討した。そして、市民が自ら景観に対する意識を深め、語り、実践するムーヴメントと、それを支える専門家の自己研鑚が必要との認識にいたった。
これらの活動を進めるため、ここに「京都景観フォーラム」を設立する。

2010年7月

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■京都景観フォーラム設立発起人

(京都市未来まちづくり100人委員会・市民の景観チーム)   
石倉宏、 大西健吾、 高木英二、 富家大器、 内藤郁子、 中村伸之、藤崎壮滋、 松本よし子、 宗田好史、 森本浩行

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